トービーラーのバルサン物語(1)Yahooブログより転記

トービーラーのバルサン物語

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バルサンはスーパーごきぶりであった。
(おいおい、突然かよ~)

体力的な面ではなく、その知的な部分での能力は
ゴキブリとは思えないほどの能力を持っていたのだった。

まず、人間の言葉を解する。
これは言葉自体を理解する能力というより、
一種のテレパシーのようなものなのだろう。

人間同士の会話が、言語を通じてではなく
彼らの話している言葉の意味がバルサンには直接理解できたのだった。
テレパシーが生命体の発する脳波や生命エネルギーを感知する能力だとすると
つまり、バルサンは生物なら種類を問わずにそれらの考えていることを
理解できたのであった。

では何故、バルサンは無機質であるTVやラジオ放送まで理解できたのだろうか?
ウチナーおじさんはそこまでは追求したくない。
あなた自身で考えて欲しい。(という、便利な逃げの手があるのだった)

それは無責任だと怒られる方もいるかも知れないが、
世の中には熊のくせに人間の言葉を話したり、蜂がやはり言葉を
話したりする物語があふれている。

しかし、何故熊が喋れるのかとか、蜂が喋るということに対して
何らかの理由や、具体的な説明をしている作者がいるであろうか・・とあえて問いたい。

バルサンが人間の言葉を理解できるのはテレパシーのせいだと
ちゃんと説明しているウチナーおじさんはかえって親切すぎるほどである。

と、まあそういう訳でバルサンは自分の周りの世界のことを徐々に学習していった。

ある夜のことである。
バルサンは住んでいる木造平屋の屋根の上に登って周りを見渡していた。

北東の方3~4km先の丘には「宗」の文字の
赤い輪に囲まれたネオンが点滅していた。
沖縄でローカルの企業で味噌や醤油を作る会社のネオンであった。

ちなみにバルサンの住んでいる家の長女は高校生の頃に
赤丸宗提供のラジオの喉自慢コンクールに出て一点賞を貰い
味噌や醤油をお土産にもらって帰ったことがあったそうである。

さらにその右の方にはやや離れてTV塔が赤いランプを点滅させて立っていた。
東京タワーとは比べられない単なる鉄骨のタワーだが
高い建物のない那覇市のさらに首里の丘にそびえるように立っていて目立っていた。

南西にはなだらかな斜面に沿って一面の菊畑が広がっていた。
そしてその斜面の先、丘の上には鉄条網のついた金網が張り巡らされた
円筒形の米軍のジェット燃料タンクが銀色に光っていた。

屋根の上から見えるのは一基のタンクだけだが、その広大な敷地内には
数十基のタンクがそれぞれある程度の距離を置いて立っていたのだった。

時おり、丘の上にライフルを肩にかけたガードマンが軍用犬を連れて
見回りしている姿が遠くから見えることもあった。

北西には那覇市の中心街があり、大越というデパートの屋上から放射される
サーチライトが夜空に照らし出され、雲に反射して動いているのが見えた。

バルサンは屋根の上からはるか北の方の夜空を眺めては
そこに行けばあるというヤンバルの森への旅立ちをあらたにするのだった。

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おはようございます~。昨日、仕事が忙しくて忘れてたら、指摘を受けたので、慌ててもらいにきました~^^貰っていきます~。削除

2006/12/16(土) 午後 1:15xrg*m*04返信する

  

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バルサン、この頃チルダイ(疲れている)のか、なかなか前に進みませんね。次回はいよいよコザ市に飛ぶ予定です。ちょっとギャグが少ないのが気がかりです。削除

2006/12/17(日) 午後 0:43anr**i2hi*o返信する

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バルサンはゴキブリとは言え思慮深かった。
リビングに潜んでTVを観ては外の世界の様子なども伺っていた。

ある日、バルサンはゴキブリ仲間にも花の蜜を吸って生きている
種族がいるというのを何かの番組でちらっと見かけたことがあった。

それに沖縄北部はヤンバルと呼ばれ、そこには他所では見られない
鳥や昆虫などが生息しているということも知った。
バルサンはいつかしら、ヤンバルとやらへ飛び立ちたいと思っていた。

人間共はゴキブリが少し羽を動かして部屋の中を飛び回ると
悲鳴をあげて逃げ惑うが、本来ゴキブリに羽があるのは
空を飛んでいた証拠ではないか。
それが人間の家に住み着くようになって堕落したおかげで
羽も退化気味になっているだけで、本来飛べないことはないのだ。

TVのニュースではここ沖縄は復帰運動というのが盛り上がっているらしい。
どうもアメリカの施政権から日本へ還るのだとか言っている。
まあ、俺とは関係ないが、こちとらはヤンバルまで飛ぶのに
筋肉を鍛える必要があるので、復帰運動ならぬ腹筋運動は欠かしたことが無い。

いざ、実際に外界へ飛び立つ前に近所やら外の様子を学んでおくのも
悪くはないとバルサンは思うのであった。

[解説]

ヤンバル(山原) 沖縄本島北部地区をさす。緑の森が広がり、そこには
         絶滅種に指定されたヤンバルクイナやきつつきの
         ノグチゲラなどの珍しい鳥や、沖縄にしかいない昆虫
         などが生息している。

日本復帰運動     戦後、沖縄は日本から切り離されアメリカの施政権が
         敷かれた。それは1972年の5月15日まで続いた。
         そのアメリカの施政権から日本へ復帰する大衆運動をいう。

閉じる コメント(9)

  

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まだ何もストーリーは考えてないが、しばらくバルサンに付き合って沖縄が日本に復帰する前の町の様子をバルサンの目を通して眺めてみたい。もっとも東京も日本の各地方も30数年も経つといろいろ様変わりしている。ウチナーおじさんが上京した当初はコンビニなんてなかったくらいだ。削除

2006/10/25(水) 午前 8:06anr**i2hi*o返信する

  

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ゴキブリは飛びます。ある人が夏のある夜、自分の部屋で大あくびをしたら、その口の中にゴキちゃんが飛び込んできたそうですよ。削除

2006/10/25(水) 午後 0:07kan*m*270 ]返信する

  

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ウチナーおじさんもごきぶりの飛ぶのは目撃しています。ひさしぶりに飛んだようでした。にわとりも飛ぶことがります。放し飼いのにわとりは木の枝の高さなら平気で飛び移るのも目撃したことあります。小学校の給食のパンにゴキちゃん入りパンがあり、かじったウチナーおじさん、ゴキげん斜めになったことあります。削除

2006/10/25(水) 午後 0:50anr**i2hi*o返信する

  

うわ~、どっちも恐ろしい話だ! ゴキげん斜めは上手いっす(笑)。削除

2006/10/25(水) 午後 10:06ドヤ返信する

  

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北海道ではゴキちゃん被害(といってもゴキちゃんは大した悪さはしてなくてもその薄気味の悪さで損をしているところ大ですね)はそうないと思います。「カモメの飛んだ日」という歌がありましたが、「ゴキブリの飛んだ夜」は大抵パニックになります(笑)削除

2006/10/25(水) 午後 10:37anr**i2hi*o返信する

  

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ひえええフライング・コックローチ・・・・きゃ~ケータッチャーする~ この前、思わず、手ではたき落としてしまった。TOT・・・悲しかった。削除

2006/12/1(金) 午後 2:05xrg*m*04返信する

  

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週末に、更新して欲しいとのお姉ちゃんからの要望で、毎週金曜日にもらうことにしました~^^ってことで、貰っていきますよ~^^削除

2006/12/1(金) 午後 2:06xrg*m*04返信する

  

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沖縄のゴキブリは・・大きいよね。頑丈そうだし、ふてぶてしい。 この間、ここフロリダでも一匹部屋に紛れ込んできたけれど、ウチナーヒーラーのような貫禄はなかった・・おいおい自慢してどうする(笑) 転載の件、ゆたしくう願ぇさびら。削除

2006/12/1(金) 午後 2:20anr**i2hi*o返信する

  

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あい~^^こちらこそです。・・沖縄の、ゴッキーは、(飛んでいないときは、ゴッキーと呼ぶ)あろう事か、人間様に向かってくるんですよ・・・おそるべし・・・削除

2006/12/1(金) 午後 7:37xrg*m*04返信する

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トービ-ラとは扉のことではなく、ウチナー口でゴキブリのことをいう。
トービーラーまたは単にヒーラーともいう。

ニューヨークのごみ捨て場から力強く羽ばたくことだけを目的に
大空へと飛び出した「カモメのジョナサン」の物語は
かつて人間界に深い感動をもたらした。

その「カモメのジョナサン」が大空を高く飛びまわっている頃
時を同じくして1970年代初頭の沖縄にも
トービーラーのバルサンという名のゴキブリが外の世界へ
冒険の旅に出て様々な困難を克服するという感動物語・・
が繰り広げられていたのであった。

もっこり犬の「オキちゃん物語」が多くの人の涙を誘い、
笑いを誘いかつひんしゅくをかってからまだ間もないが
また懲りずに物語の出だしを書けば、皆さんのコメントによって
筋が、あるいは勝手に物語そのものが独自に歩いていくという、
作者、読者のコミュニケーションの掛け合いによって成り立つ物語である。

さて、前置きはそのくらいにしてバルサンの話をさっそく始めよう。

バルサンは沖縄の那覇市のはずれ、国場香水がほのかに漂う
与儀という周りは電照菊の畑、さらに米軍のジェット機燃料タンク基地が
丘の上に望める小さな木造の家に生まれたチャバネゴキブリであった。

ゴキブリは一つの卵から約40匹は生まれるというから
彼のきょうだいはかなり多いと言えよう。

カモメのジョナサンの本名はジョナサン・シーガル・リビングストンといった。
バルサンの正式な名はバルサン・リビングルーム・ハゴーサンである。
バルサンはハゴーサンという姓にリビングルームというミドルネームも持っていた。
ゴキブリの世界ではバルサンという名はポピュラーだけにミドルネームは
個々を区別して呼ぶときにとても便利であった。

リビングルームというミドルネームは彼が
リビングルームを好んだことからついたもので、
他にはバルサン・キッチン・ハゴーサンとか
バルサン・フール・ハゴーサンと名づけられた者もいた。

バルサンは生まれた頃から少し他のきょうだいとは違っていた。
皆が薄汚れたキッチンや流し場、ガスコンロのまわりを好んだのに対して
彼はゴキブリの分際で人間界、また外の世界に小さい頃から興味を示したのだった。

*写真はイタリアのルッカで見かけた扉である。
ゴキブリの写真も何なんで、トービーラーと扉をかけて見ました。
この扉が開いて、さぁ、物語のスタートです。

[解説]

トービーラー  ごきぶり

国場香水    那覇市の東はづれにあって、菊やサトウキビ、野菜などの
        畑が一面に広がっていた。当時は肥溜めも点在していて、
        その香りは国場香水と称された。だが、今や畑は消え、
        住宅街へと変貌している。

「カモメのジョナサン」  リチャード・バック作 五木寛之訳の小説で
             NYの海岸のごみ捨て場から大空を目指して飛び立った
             かもめの物語である。・・といってもウチナーおじさんは読んでない。

ハゴーサン   汚い

フール     トイレ

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かぐわしい「国場香水」・・ヘドロの香~!、最近は「久茂地香水」「安里香水」「末吉香水」で、川カジャーがすごいですよ。さて、「ヒージャーヒンギタ」から「ヒーラーヒンギタ」へ新たな物語の始まり始まりり・・・・。追伸:奈良に行ってきましたが、ヒージャーでなくシカがたそがれていました。削除

2006/10/24(火) 午後 6:05chu*aum*y2 ]返信する

  

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国場香水はどこかしら大地の匂いがしましたが、ヘドロはいただけませんえぇ。シカー(弱虫)のシカが奈良では人なれして餌をねだりによってきますが、シカせんべいを取り合って喧嘩するシカを見ました。お互い両足を絡ませて後ろ足で立ち上がるとかなりの高さがありびっくり、シカミました。削除

2006/10/25(水) 午前 0:28anr**i2hi*o返信する

  

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>シカミました。 ・・・まさしく、「シカマチ、カンパチ、ナラノマチ」削除

2006/10/25(水) 午前 8:19chu*aum*y2 ]返信する

  

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美化語の観点からいいますと、ナラノマチの前には「お」をつけましょう。この「お」をつけることによって、ナラノマチが美化されるのです。 はっしぇ、かばさよぉ~。削除

2006/10/25(水) 午後 0:59anr**i2hi*o返信する

  

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リビングルームというミドルネームにウケました(笑)! でも、人間界にはこないでおくれ~。削除

2006/10/25(水) 午後 10:01ドヤ返信する

  

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バルサンは人間の言葉も解するスーパーごきぶりであります。さて、これからの展開はどうなっていくことでしょうか。そういえば北海道にはごきぶりがいないという話を聞いたことがありますが、実際にそうでしょうか?群馬出身の友人も東京に来て始めてごきぶりを見たそうで、しばらく虫かごに入れて飼っていたそうです。(笑)削除

2006/10/25(水) 午後 10:31anr**i2hi*o返信する

  

自分は北海道の釧路市出身なんですが、北海道在住時はゴキブリ見たことなかったです。 こっち(埼玉)に住んでからは、何度か遭遇しており、夏場はドキドキしながら過ごしております。削除

2006/10/26(木) 午後 11:49ドヤ返信する

  

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ああ、現在は埼玉にお住まいなんですね。ずっと、北海道にお住まいの方だとばかり思ってました。・・ということはオキちゃんは埼玉出身ということなんですね。いやいや、失礼をば致しました。(苦笑)ゴキブリは気温が15度以下だと動きが鈍るそうです。日本での生息北限はどこなんでしょうね?削除

2006/10/27(金) 午後 1:21anr**i2hi*o返信する

  

いえいえ、全然気になさらないでください。 自分もちゃんと自己紹介してなかったものですから・・・(爆)。 ちなみにオキちゃんは嫁の実家(茨城)にいるんですよ。 次週の3連休で久しぶりに会いに行ってきます!!! ゴキブリは札幌とかでは出始めたと聞いたことがあります。削除

2006/10/29(日) 午前 7:25ドヤ返信する

  

ウチナーおじさん。転載しましたよ~。 これから、週1で、貰っていきたいです。^^ よろしくです^^削除

2006/11/28(火) 午後 7:39xrg*m*04返信する

  

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ああ、「バルサン物語」最初から転載してもらえるんだ(笑)ウチナーおじさん、ここんとこバルサンのことを忘れておったがな。まだ浦添でグズグズしているので、そろそろ動き出すことにしないとなぁ~。ヤンバルへの道はまだまだ遠く険しい。削除

2006/11/29(水) 午前 9:04anr**i2hi*o返信する

  

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あははは。がんばてね~^^いつも、読み返して、笑ってるんだよ~。削除

2006/11/29(水) 午後 0:35xrg*m*04返信する

  

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バルサン物語、再会しましたよぉ~。やはり、ウチナー口が多少ともわからないと面白みに欠けるかも知れんさぁね。まあ、ウチナー口解説付きだからもっとウチナー口を使ってみるかねぇ。削除

2006/12/1(金) 午前 8:46anr**i2hi*o返信する

  

わ~いい^^見たよ~・へへへ。バルサンは、友達の、ないち嫁の子も、方言お勉強しながら、楽しみに読み始めたって^^ワクワクだよ~。頑張ってね。削除

2006/12/1(金) 午前 11:18xrg*m*04返信する