「馬の養老院」 トゥッティ・トゥランティー(ウチナー口で取ったのかい、取らなかったのかいの意で人参をあげても食べなかったふりをする)マリリン・モロ(ドンキーとの混血種、まだ慣れない頃自分の縄張りを主張して尻尾をあげるやモロにお尻を向け糞を放出した雌馬)ショーティ・カマンティ(shorty小さく、カマンティはウチナー口で食べなかったのかい?の意、4頭の間では最も序列が低いのでなかなか人参にありつけなかった)エド・ムラサキ(白馬がかった一番若く粋なリーダー威厳があった)・・大平原にある牧畜の盛んなワイオミングでは放し飼いにされていたこれら4頭の馬に時々会いに行くのが楽しみだった。フロリダへ引っ越してきて、もう馬に会えないと思っていたら、ニンジンを持って行くと馬に会える牧場が近くにあると聞いて出かけた。
土曜日の11時から3時まで、老齢のカップルの方がMill Creek Farmという牧場を一般に開放している。1984年、牧場を馬の養老院としてボランティアで始めたものらしい。馬の平均寿命は20~25年と言われているが、その牧場にいるのは引退した警察のパトロール馬や国立公園に勤めていた馬、サーカスにいた馬、さらには動物愛護団体に保護されたハイウェー近くに捨てられていた馬など、病気やケガをしている老齢の馬たち100頭ほどである。中には10頭ほどの盲目の馬もいたが、すべて白馬だった。いわゆる白子というもので色素の関係でそれらは陽射しの強いフロリダの太陽に目をやられやすいのだそうだ。
日本でも犬や猫を捨てるふとどき者は後を絶たないが、なんと言ってもスケールは違うがアメリカにも用済みになった馬を空き地やワニの住む湿地帯に捨てる輩がいるようだ。さらにまたそれらを保護する団体も存在するというのが、いかにもアメリカらしい。これら捨てられた馬たちは栄養不良でやせ細り、何らかの病気やケガ、皮膚病などを患っていて牧場に来た当初は人間不信でなかなかなつかなかったという。馬だけにトラウマになったということだろうか。
それらの馬の面倒を見るのに飼料や薬、獣医などの費用に一頭で年間1,800ドルかかるらしい。その費用は寄付や、或いは月に40ドルの費用で馬の持ち主になるスポンサーを募集して賄っているらしい。馬はそれぞれに個性があって、年に一回だけロデオ会場で出会うだけの他の馬を覚えているというから頭もいい。これらの馬たちは手厚い看護で、平和に尊厳死するまで世話するというから運のいい馬たちかも知れない。
なぜって、ニューヨークタイムズの一面に年間6万頭の馬がアジアなどに馬肉として売られている。それを禁止しようという訴えの広告をも見たからである。僕なんかも「ほら、馬刺しだ!」なんて出されたらためらいなく食べちゃうほうなのでなんとも言えないなぁ。
動植物に分類しちまったが、まぁいいか。写真は野生のエルザ一家の馬と借りている牧場。木から垂れ下がっているのはスパニッシュモスクという植物で、木に寄生しているわけでなく大気から栄養分を採って独自に生きているらしい。またいつかアップ写真で紹介したい。
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