草原の輝き

英会話のレッスン中に何らかの拍子にナタリー・ウッドの話題になった。

 

70前後のベネズエラ出身の女性が彼女の主演映画、「草原の輝き」について話し出した。

 

主演男優は誰だったか、顔は覚えているのに誰も名前が出てこない。しばらくして講師の73歳の女性がウォーレン・ベイティの名前を思い出した。

 

「草原の輝き」というタイトルはイギリスの詩人、ワーズワースの詩から取られたものだということを僕は言った。

 

なぜ、知っていたのかと言うと実家のTVを置いてあった近くの柱に青いマジックペンで

草原の輝き 花の栄光
再びそれは還(かえ)らずとも なげくなかれ
その奥に秘められたる力を見い出すべし」

という言葉が書かれていたからだった。

 

「草原の輝き」は1961年の映画で、多分ぼくより一回り年上の姉が書いたのではないかと思う。僕がその映画を観たのは封切りから10年以上後の1970年代初頭、上京後に池袋文芸座で観た覚えがある。

 

ワーズワースの詩からついたタイトルだと言ったせいで、先生に次回のレッスンまでにその詩を調べて発表するようにと仰せつかった。

 

英語の原文と訳詞を載せておく。

 

Splendor in the Grass 草原の輝き
William Wordsworth ウイリアム・ワーズワース
翻訳:松野町夫 (2012-03-11)

Though nothing can bring back           もう取り戻すことはできない
the hour of splendor in the grass,          草原が輝いていたあの頃を
of glory in the flower,                花が満開だったあの頃を
we will grieve not.                 それでも嘆くのは止めよう
Rather find strength in what remains behind.    むしろ力を見つけよう、存続するものの中に