アベノミスス

日本を離れて来年2月で20年になる。だんだん日本の実情がよくわからなくなってきた。

 

その頃はバブルが弾けて10年ほど経っていて「失われた10年」とか言われていた。以来、景気が回復することもなかったようで今では(失われた30年」とか、少子高齢化でこのままだと低開発国どころか、途上国になっていくという記事なども見かける始末だ。

 

社会構造も随分変わり、「一億総中流化」と言われていた時代からすると富める層と貧困層の格差が大きく開いた社会とも言われるようになっている。

 

非正規雇用も雇用者の4割を占めるそうで、その社会的身分も危うい。かつては非正規雇用も「フリーター」などといって若者の新しいライフスタイルなどとプラスのイメージで語られることもあったが、仕事を自由に選んで生きがいを見つけるということには程遠い生活を強いられるようになっている。

 

多分、安倍政権の目指す国家像は「富国強兵」政策だろうとワタクシには思われる。実際に日本国内で生活している人たちにとってはその変化は自然でゆっくりしているので気づかないということもあり得るかも知れないが、僕のように海外で生活していると日本の変貌ぶりには驚かされるものがある。

 

国民一人ひとりの生活水準は落ちても、国家として強大であればよしとする。大企業が儲かっても、国家予算は軍事費に回し庶民には苦しい生活を強いる。働き手が安い賃金で使えれば、国外からの受注や価格競争にも打ち勝つことができる。(今の中国はそういう手法で経済発展してきた訳である)

 

つまり国家として経済大国の面子は守りつつ、国民生活の水準は下げざるを得ない状態にしていく・・それがアベノミスス、いやアベノミクスの正体ではなかろうか。