2007年11月05日11:01 3月18日(金)の続き
午後のことである。国内便の予約にインディアン航空の事務所へ行こうとタクシーを停めると、僕らが停めたタクシーにたまたま前に居た地元のカップルがタイミング良く乗り込んでしまった。合図をして停めたのは僕らなので文句を言うとどこへ行くのかと聞かれ、インディアン航空の事務所だと答えると、同じ所なので相乗りするよう勧められる。
連れの女性は男の奥さんで銀行に勤めており、自分はインディアン航空のスタッフだと自己紹介した。しかし、車の中で女性の持っている皮製のバッグを買わないかと聞いてきたのでいぶかしく思う。だが実際に航空事務所に着くと、男はスタッフしか入れない部屋に入っていくや僕らもその中に招き入れたのだった。
さらに驚いたことには、男は机の前に座ると、コンピューターを操り僕らのチケットの予約手続きをその場でしてくれた。事務所のカウンターは客で混みあっていたので大いに助かった。あまりのタイミングのよさと運の良さになにやら狐につままれたような気分であった。
チケットの予約に行く為に停めたタクシーに先に乗り込んだのがそこのスタッフで、しかもタクシー料金まで払ってくれたのだった。これまで施しを乞われるのが常であったが、今回はインド人にタクシー運賃を施して貰ったのだった。
ホテルに戻る前に、ショッピングセンターへ写真を取りに行く。店の前に赤ん坊をおんぶした裸足で汚い格好の10才位の少女が立っていた。乞われた訳ではなかったが、感情まで無くしたような生気のない顔に思わず5ルピー紙幣と飴玉を手渡す。
夜は8時半頃に、タクシーに乗ってヴィクトリア駅近くにあるフォートマーケットに行く。ちょうど店を閉め始めたところだったが、人出の方はまだかなりあった。
そのマーケットは衣類の店や露店がほとんどで、気のせいかイスラム教徒の特徴のある帽子をかぶった商売人が多い。マーケット内を歩いていると、若い男がやってきてガイドを申し出た。断わっても後から着いてくる。ほんとにいいからと何度断わってもまだしつこくついてくる。悪気はなかったのかも知れないが気味が悪いので、その男を振り切るように市場を抜け出て近くの駅構内に逃げこんだ。
マーケットから駅までの通りの脇は寝支度をしている人達でいっぱいだった。駅構内はさらに多くの人達で埋っていた。駅の構内なので電車待ちをしている人達も居るのだろうが、すでに床に寝込んでいる人たちも多く、そこを寝ぐらにしている人の方が圧倒的に多いのではないかという感じであった。
乗ったタクシーは故障しているのかヘッドライトをつけないまま運転していた。暗闇でも目が利くのだろうか。それに信号待ちには車のエンジンを切る。夜は交通も少ないのでエンジン音が止まるとシーンと気まずい空気が流れる。スピードを落とさずカーブを曲がったりと、ラフな運転ぶりである。もっとも僕らが変な運転手にあたっっただけの事かも知れない。
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