ブラジルの映画である。タイトルは神の町だが、皮肉にもリオデジャネイロの山腹に作られたスラムのことを指す。そこは無法地帯でギャングはもちろんのこと、小学生らしき小さな子供たちでさえ銃を持っている。
その町の二大勢力のギャングの成立と抗争、麻薬、警察の腐敗が描かれてて日本人には想像のつかない世界である。
たまたまペルーへ行く前にサンパウロで起こった事件のニュースを読んだ。麻薬マフィアが警察署を襲い、双方で70人以上の死者が出たという記事だった。麻薬マフィアのボスは刑務所に収監されていて、そのボスの他の刑務所への移動がその事件の発端だったようだ。
刑務所の中とはいえ、何らかの伝達ルートがあって彼の指示、命令で組織は動いている。それが移送され、別の刑務所に行くことになるとその命令、伝達ルートが遮断されるということではないかと思う。そういう抗争がペルーの町なかでもあったりしたらやばいなぁという気持ちが行く前にあったのは事実である。
DVDのいいところはfeatureという映画の解説にあることである。かなり詳しい、リオのギャング団のことに関してレポートしていた。彼らはそのスラムの影の施政者でもある。病院にいけず、クスリも買えない住民に薬を買い与えたり、食料を配ったりしている。
それほどの極貧で育った子供たちは自分の惨めな生活から抜け出すには麻薬を売るギャング団に入り、生活の糧を得るしかない。ギャング団は武装していて、警察官との抗争に明け暮れている。警察官もそのギャング団から賄賂を貰い、大目に見たりもしている。やはり日本の平和で飢えや、極貧とは関係ない世界で生活してきた人間には驚きだが、このような信じがたい生活があるのは間違いないようだ。
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