敷地に侵入したオキちゃんは、辺りを眺めた。 野球場一面ほどの広さであろうか、囲いのある牧場部分は鉄線の柵で仕切られていた。
明かりのともる母屋にオキちゃんは、向かっていった。 宴会でもしているのか、数名の男性の酔いまじりの声が窓越しに聞こえてきた。
「ウイー~ヒック、ヒージャー密輸で、大金がたんまり・・笑いがとまらんのう。」 テーブルの上には、大金の入った板スーツケースと凶器のノコギリ、刃物が置かれていた。 一部始終を確認したオキちゃんは、一旦その場から引き返し、ボギーの到着を待った。
しばらくして、静かな海岸線にボギーが到着した。 冷静なボギーに比べ、キャン捜査官はびびっていた。
恐怖のため、あそこからおもらしをしたのだが、 「か・海水にぬれてし・ししまったよ。 ひ・ひさいぶりの世界地図だだあなあ・は・ひひひ」などと口ばしっている。
おまけに防弾チョッキも逆さまで、チンコ部分が胸の上で、 まさかりかついだ金太郎状態である。 それに比べボギーは、バッチリと着こなしていた。
ボギー:「またせたな、オキちゃん。さあ、作戦実行だ。仲間もきたぜ。」 後ろには、イングワァ・ジョーンズを筆頭にFBIの優秀犬の面々が控えていた。
オキちゃんとボギーは連れ立って、まず変電室のある小屋に向かった。 まず電源をシャットダウンさせ、高圧電流を停止させたのち、 SWAT工作班が有刺鉄線を切断し、ヒージャー避難誘導を行う段取りである。 敷地の奥深くにあり、万が一犯人が気づいても時間を稼げるのが不幸中の幸いである。
そして、ハラペーニヨ一団の潜伏する小屋をFBI捜査犬が取り囲み、 オキちゃんの「電撃作戦合図」のシャットダウンに備えていた。 あたりに暗雲が立ち込めてきた。
雲行きが怪しくなってきた頃、ボギーは作戦を開始しようとしていた。 「・・・そろそろだな。」とボギーがつぶやくと、 「いや、すこし待て、いいアイデアがある。」とオキちゃんがなだめた。
二人、いや二犬のほほに雨しずくがポトポト落ちてきた。 雷雲がたちこめ、ゴロゴロピカッツピカッと雷が鳴りはじめた。
しばらくして、「ドドーン!バリバリバリ・・」雷の光と音が鳴り響いた瞬間、 オキちゃんは、咥えていたスパナを体を反転させ、配電盤の中央に投げつけた。 その瞬間、衝撃音とともにあたりは闇につつまれた。
停電とともに、FBI工作班により柵は切断され、 隙間のできた場所から、ヒージャーは、列をなし次々と脱走し、 FBI操作犬により、コンテナ船へ誘導されていた。
その間にも、ハラペーニョ団の一味は、雷のせいで、停電の意味を理解していなかった。 「まいったぜー、雨になるとはなあ。チキショー~。」 「停電修理かよう!まったく!」男の一人が、ドアを開け外に出て行き、 トボトボと変電室のある小屋に向かって行った。
男が、ときおり光る雷のシルエットの中に柵の中に居るはずのヒージャーが まったく見えないことに気付いて、かけだそうとした瞬間だった。
二頭のFBI捜査犬が、男の股間に飛びついていた。 男は「オ、オカマには、・・な・なりたくな・・い」とつぶやいて悶絶した。 男は納屋の後ろに引きずられ、さるぐつわをかけられた。
その間に、オキちゃんとボギーも到着し、闇の中に身をひそめていた。 「ボスを含め、あと三人だな。」オキちゃんと、ボギー互いに、確認しあっていた。 「このミッションが終われば、慶良間のチオビタ署長に会いにいくぞ。」 二頭は、誓いを新たにしたのだった・・・
[解説] メェゴーサー ゲンコツ 喰ヮ-ス 喰らわす
*写真はハラペニョ-ロ団から救いだされたヒージャ-たち。 悪の一味、ハラペニョ-ロ団にメェゴーサーを喰ヮーシテ下さいと 彼らは訴え出たのであった。
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コメント(3)
Churaumiy2さん、オキちゃん物語、いよいよ大詰めに迫ってきましたね。 101匹のヒージャ-救出作戦の成功を祈りたいと思います。ジャーヒー、いやヒージャ-、あらんジャーへ-なと~んどぉ!
2006/10/17(火) 午前 5:46返信する
北海道では羊を食べ、沖縄では山羊を食べ、と北と南なんか似ていると、ふと思った俺です。
2006/10/18(水) 午後 10:37返信する
そうですね、北海道のジンギスカン料理は羊ですよね。正確にいえばヒージャーとは山羊のことだと思うのですが、だんだん山羊も羊も一緒くたになってきましたね(笑)でももしかして沖縄では山羊も羊もあるいはヒージャーと呼んでいるかも知れません。どうなんだろう?
2006/10/18(水) 午後 10:42返信する