2007年10月24日20:59
3月12日(土)の日記の続き
午後は郊外に行く。岩山に作られた難攻不落と云われた~フォートである。王宮の別荘も兼ねていて、ろうそくの灯が天井に張り付められた無数の小さな鏡に反射して幻想的に輝く部屋等を見学する。まあ、ディスコなどにあるミラーボールの原型といったところだろうか。
そこの広場には背に客席をしつらえた3頭の象がいて象使いの案内で背に乗り、写真を撮って貰う。20ルピーであった。顔を撫でたら、皮膚は思ったより柔らかかった。
市内にある美術館、ヒンドゥー寺院をまわって夜の7時にホテルへ戻る。そのツアーの中にはインド人の参加者も結構いて、カルカッッタから来たという二人の若者とは席が近く色々話を交わした。二人とも兵士だとのことであった。
僕の職業を問われて、メガネの卸屋だけれど、インドでは商売にならないと云ったら笑っていた。何しろメガネをかけている人を見かけないのだ。驚くべき視力の持ち主の東京での友人であるパキスタン人を知っているが、かといってすべてのインド系の人たちが眼がいい筈もないのだろうが・・・
他にもインド人の若いグループなどがツアーに参加していた。そのなかの女性に白人のように色の白い人が何人かいた。
カーストに関しては無知に等しいが、上層のカースト程色が白いと読んだ覚えがある。これは古代にペルシャ人がもともと居た民族の征服者としてインドにやってきたからで、ペルシャ人といえば今でいうイラン人なのだろうから顔立ちはコケ-ジャン(白色人種)である。そのせいもあろうか色の白さはインドではある種のステータスシンボルらしい。
ツアーの終わりはそれぞれの客をホテルの入り口で降ろしてくれた。僕らの泊まっていたホテルはかつてマハラジャの別荘がホテルになったもので、僕らを降ろすちょっと前にインド人の女性ガイドがその建物の歴史などを説明していた。
そしてそのホテルの宿泊料金が一泊いくらだと説明するとツアー客のインド人の間から驚きの声があがった。宿泊費は日本円で1万円ほどであったが、部屋も広いうえにかつペア料金に朝食つきだったので日本のビジネスホテルと比較しても高い訳ではない。
だが、それはインド人の平均月収以上の値段に相当する価格だったようだ。(あるいはそれが年収に近い値段だったのかも知れない)バスがそのホテルの入り口前に停車して僕らが下りるのを残りの乗客が眺めている間中、後ろめたい気分だった。特にバスの中で気軽に話していた若者二人に別れの挨拶をしたときの彼らのとまどったような驚嘆の顔つきがまぶたに残っている。(続く)
<<前の日記へ あんらぎの日記一覧へ 次の日記へ>> コメントコメントを書く ○ハラ 2007年10月25日 01:01
あんらぎさん、 収入の違いはどうしようもないですね。
一時、中国人やフィリピン人、ブラジルやペルーなどいろんな国の人たちが日本に働きに来ていて小金を貯めて帰ったようです。 今ももちろん滞在し続けてている人たちも居ますが、日本円で二十万円かそこらの金額でも、それを少しずつ貯めて、お国に持って帰れば結構な金額のようです。
戦後の日本人も欧米に追いつけ追い越せで頑張った結果、外国に観光で行く人も珍しくなくなりましたが、一時は貧しい時代がありましたよね。 今、為替レートとしては一ドル120円ぐらいですが、360円と思えば一ドルはずいぶんと高額です。 中国が今、日本に追いつこうとしてますから、日本経済の栄華も今の内かも分かりませんね。
あんらぎ 2007年10月25日 08:08 ○ハラさん 僕がイタリアにいたときに中国から密入国をはかった人たちの遺体がコンテナから10数人見つかった事件がありました。また、スペインでもアフリカのモロッコあたりからの密入国をしようとして溺死した遺体が海岸に打ち上げられている写真が新聞に載ってました。
為替相場の違いによる通貨格差と言うマジックは経済力のある国の人にとっては旅行などが安くあがるという恩恵がありますが、逆にいえばそこに住んでいる人たちが出稼ぎでそういう国々に出かけて稼いだ金を自分の国に持ち帰ったらかなりの大金になります。
そういうわけで蜜入国するという単純な動機だけではないとは思いますが、その経済格差が動機になっているのは間違いないと思います。
円が1ドル360円だった昔、沖縄ではドルを使ってましたが1000ドルあれば一軒家が建つと言われてました。単純計算しても36万円ですね。物価が当時は10分の1だったとして360万円では家が建ったというわけです。
月給も沖縄の人間で100ドルだと高級取りだと言われてました。その当時のアメリカ兵の給与はわかりませんが、多分1000ドルくらいはあったかも知れません。アメリカと日本の経済格差は10倍くらいの感覚だった時代だったのかも知れません。
それが30年ちょっとでは円が80円~120円あたりまで強くなったわけですから、国の経済力というものは社会の意識や個人の生活まで大きく変えてしまいます。
いま、中国が日本の経済成長時代以上の勢いで伸びているようですが、そういうことでいえば中国の通貨が強くなっていくということでしょうから、中国も日本のように大きい変化をするのは間違いないでしょうね。
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