2008年01月28日10:38
自然公園の中に鳥や植物の案内板が立っていることがある。その中に興味深いのがあったので紹介したい。写真の案内板はBarrel Owlというふくろうの仲間である。多分、和名は縞フクロウだと思う。
その説明書きにそのふくろうの鳴き声が" Who cooks for you..Who cooks for you all.(誰が料理してくれるの、誰があなたの料理をすべて作るの?)"と聞こえるとある。
それを見て、日本の仏法僧という鳥を思い出した。名前しか知らない鳥だが、その鳴き声で小学校の教科書あたりにも載っていたように思う。
さっそくウィキペディアで調べたら、話は思いがけない方向へと行ったので驚いたのである。まずはブッポウソウで調べたのをお読みいただきたい。
「ブッポウソウ」という鳥は、鳴き声が森の中で夜間「ブッ・ポウ・ソウ」と聞こえ、仏、仏法、僧の三宝を象徴するとされたためこの名が付けられた。しかし、実際のブッポウソウをよく観察しても「ゲッゲッゲッ」といった濁った音の鳴き声しか発せず、件の鳴き声を直接発することが確認できないため、声のブッポウソウの正体は長く謎とされた。
だが、「ブッ・ポウ・ソウ」がコノハズクの鳴き声であることが昭和10年NHK名古屋放送局のラジオ放送で明らかにされた。ブッポウソウの鳴き声の実況中継を全国放送でブッポウソウの鳴き声で有名な鳳来寺山で行ったら、この放送を聴いていた人の中から「うちの飼っている鳥と同じ鳴き声だ」という人が現れてその鳥がコノハズクだと判明したのだった。
つまり姿形の美しい鳥に「ブッポウソウ」という名を付けたのだが、実際の声の主は フクロウ目のコノハズクだということが明らかになったのである。
コノハズクの生態
コノハズクは、アジアやアフリカ、ヨーロッパに分布するフクロウ科の渡り鳥で、愛知県東部の山岳地帯に生息し、初夏から秋にかけて姿を見せる。「声の仏法僧(ブッポウソウ)」の別名をもち、愛知県南設楽郡鳳来町は、その鳴き声の名所としても有名である。 山地にある森林に生息する。夜行性で、昼間は樹上に止まり休む。樹洞やキツツキの古巣を巣にする。 食性は動物食で昆虫類、節足動物を食べる。 〔ウィキペディア編集〕
どうです、びっくらこきませんでしたか。
コノハズクも縞ふくろうも同じフクロウの仲間だからきっと鳴き声は似ているように思う。それが日本だと仏法僧と聞こえ、アメリカだと"Who cooks for you"と聞こえるという訳です。
無声映画からトーキーに変るトキのエピソードとして「雨に唄えば」というジーン・ケリーの有名なミュージカルも思い出してしまった。その映画は無声映画でスターになった美人女優が声が悪くてとてもトーキー映画には使えない。それで、無名の声の美しい女優が吹き替えをすることになり・・という映画だった。
何だ、何だ、仏法僧という鳥は「ゲッゲッゲ」と鬼太郎みたいな声なのにコノハズクの吹き替えで一躍有名になった鳥だったんだぁ~!
*写真は左から縞フクロウ、真ん中がブッポウソウ、右がコノハズク
<<前の日記へ あんらぎの日記一覧へ 次の日記へ>> コメントコメントを書く ○ハラ 2008年01月28日 21:41 あんらぎさん、 私は英語の映画のDVDを見る時には日本語字幕で見るようにしてます。
英語を日本語に訳すのに、なかなか上手い訳をするモンだなあ、と感心してますが、中にはちょっと違うんじゃないの? と言うのもあります。 和訳する人がその英語の背景を分かっていないと気の利いた日本語にならない気がします。 英語を日本語に訳すというのは確かに難しい作業で、英語が分かる人や内容が分かる人には笑えるジョークでも、知らないと聞き逃してしまうのもあります。
コノハズクのお陰で仏法僧という良い名前を貰ったのに、その鳴く実態は鬼太郎だとちょっと失望してしまいますね。 仏法僧だけに、鳴かない方が親しまれそうで、これがホントの、知らぬが仏、ですね。 Nao san 2008年01月29日 01:59 >どうです、びっくらこきませんでしたか。
アハハ、 我が家の裏庭のほうに住むOWLは寒い日の夜ホッホ ホーとなきます。宵っ張りの私がもう寝ようと思う頃にホッ ホーホー、ホッホ ホーと。寒いから早く寝なさいと。 これからは ”Who cooks for you..Who cooks for you all.”と言うことになりますね。
鳳来町は愛知県のキャンプ施設があり夏も涼しい山奥です。子供達は学校からキャンプに出かけます。愛知出身者はブッポウソウとコノハズクの事は知っていると思います。夏でもひんやりとした深山を思い出しました。
あんらぎ 2008年01月29日 08:22 ○ハラさん 昔TVに「空耳コーナー」というのがありました。英語の歌詞が日本語に聞こえたりするものでしたが、人間は鳥の鳴き声も結構都合よく聞くものですね。
ブッポウソウもアメリカの人けのない危険な場所で聞くと、ブッパナスゾとか聞こえてきそうな気もしないでもないです。どっちにしても夜中に鳴く鳥の声はあまり気持ちのいいものではないかも知れませんね。 あんらぎ 2008年01月29日 08:30 Nao san アメリカの犬は「バウワウ」と鳴くし、鶏も「クックドゥドゥルル-」と鳴くようです。
日本のお寺の近くで鳴いたせいで「仏法僧」と聞こえたのでしょうね。アメリカではそれが「Who cooks for you, who cooks for you all?」と聞こえるというのは面白いですね。キャンプか何かに行って、焚き火の用意をしている時に聞くときっとそう聞こえるのだと思います。
ブッポウソウという鳥のいることと、鳴き声は知ってましたが、コノハヅクとのそういう因縁があるとはびっくりです。確かに地元の方にはとうにわかっていることなのでしょうね。
沖縄にはとても色っぽい鳥でヤンバルクイナという鳥がいます。それの鳴き声はウッフ~ンと聞こえるそうです。ところが実際にそう鳴くのはイロケヅクという鳥だそうです・(・・あの、これジョークですから信用してはいけません)
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コメント(1)